ここはどこでしょう?
正解は、中国甘粛省・「張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)
マルコ・ポーロの『東方見聞録(※注1)』でも知られるシルクロード河西回廊(かせいかいろう※注2)の町「張掖(ちょうえき)」より約50kmほど離れた場所にある「張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)」。
赤い堆積岩で形成された美しい縞模様の地層が見られる広大なカルスト地形です。
張掖丹霞地貌には、様々な鉱石が含まれており、日の光を浴びることによって色を変えます。広大な地形が七色に変わる姿は目を疑うほど美しく、この色の変化から“七彩山”とも呼ばれます。
中国語で「丹」は赤・朱色を意味し、「霞」は夕焼けなどで空が紅色に染まる現象、もしくは太陽の近くを通りかかった雲が、緑や赤などの鮮やかな色に染まる“彩雲(さいうん)”のことを表します。
その名の通り、夕陽を受けて大地が徐々に紅く染まっていく様はまるで異空間にいるかのような美しさです。さらに、多彩な形にうねる地層が大地に見事な赤のグラデーションを生みだし、沈みゆく夕陽が大地に陰影を描きます。
その光景は、“東洋のグランドキャニオン”とも称されます。
さらに、ここ張掖丹霞地貌は、2002年に発見された、中国でも知る人ぞ知る絶景ポイント!観光地としての整備が進められ、徐々に観光客が増え、人気観光地の仲間入りになりつつあります。
(注1)東方見聞録とは…
マルコ・ポーロがアジア諸国で見聞した内容口述を、ルスティケロ・ダ・ピサが採録編纂した旅行記。
(注2)河西回廊(かせいかいろう)とは…
黄河の西、南の祁連(きれん)山脈、北の砂漠地帯に挟まれる東西に伸びた細長い平地。かつて漢の武帝が進出し、武威(ぶい)・張掖・酒泉(しゅせん)・敦煌(とんこう)の四郡を配して以来、ウイグル、中央アジア方面に伸びる国際通商路、すなわちシルクロードの一部として栄えました。
■周辺のオススメスポット
シルクロードの分岐点として栄えた砂漠のオアシス都市である「敦煌(とんこう)」。
中国系・ウイグル系など各民族が融合したシルクロード文化の中心地として様々な見所があります。中でも4世紀から1000年以上にわたって築かれた一大石窟群である「莫高窟(ばっこうくつ)」!壁画や塑像など仏教美術が描かれた492の石窟が残っており、「砂漠の大画廊」とも言われ、必見です。
約1,000年にわたって栄えた城塞都市跡「高昌故城(こうしょうこじょう)」は、三蔵法師が天竺(てんじく※インドを指す中国の古称)に向かう途中に滞在し、仏教を講じたと伝えられています。
さらに、敦煌の周辺に位置し、美しい砂丘が連なる砂漠「鳴沙山(めいさざん)」では、シルクロードを旅する商隊の気分が味わえる「ラクダ乗り体験」が楽しめます。
Q、ベストシーズン・ベストタイムは?
張掖丹霞地貌を訪れるお勧めの季節は秋!秋晴れの夕方に見られる景色は、まさに絶景の一言!
広大な丹霞地貌は昼間見ても素晴らしいですが、やはり一番の見所は夕景です。ツアーを利用する場合は、夕方の観光が可能なものをお勧めします。
Q、行き方は?
張掖丹霞地貌を目指すには、まず中国の西安へ。日本・東京からは経由便で約8時間で西安に到着。
西安からは張掖まで国内線が運航していますが、便数が少ないため鉄道(所要時間14~15時間)を利用する方法もあります。
尚、敦煌を同時に訪れる場合は、日本から北京や上海などの都市で乗り継ぎ、敦煌から張掖に向かうルートもあります。
東京~敦煌の乗継時間を含めた所要時間は約15時間~が目安。
張掖市内から張掖丹霞地貌へは約50kmあるため、タクシーやバスを利用。
張掖市内西ターミナルよりバス(粛南※しゅくなん行き)に乗り、「南台子手前」で下車します。
Q、旅の注意点は?
張掖は大陸性乾燥気候。朝と晩の気温差が激しい為、羽織物は必須アイテムです。
いかがでしたか?
長い歴史を持つ中国で、ごく最近発見された東洋のグランドキャニオン「張掖丹霞地貌」。
むき出しになった地層が夕陽に紅く染まる、まるで異空間な光景に感動すること、間違いなし!
張掖丹霞地貌以外にも、世界には様々な絶景があります!!
もっと世界の絶景・大自然を知り、旅をしよう!下記にて世界の絶景をご紹介しています。
http://bit.ly/2f2WbuD
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